2006年03月29日

輪郭

1時間に2回しか来ないバス停までをだらり歩いていると、

黄色いかぼちゃをスイカのように食う青鬼を見かけた。

ジリジリと音が聞こえる夏、熱い地面の上で、

車にひかれぬよう道の端っこであぐらをかいて食っている。

湿気もなくスッカとした空の下で、

青鬼とかぼちゃと空の色彩は鮮明に私の中に飛び込んだ。

食べながら上目遣いで私を見ている。

見られるほど私の足の指先は丸まって、だんだんと力が入っていく。

私は緊張しながら青鬼の前を通り過ぎようとしたが、

ぎゅぅっと見つめられている間に私のオデコから煙が出始め、

気持ちとは裏腹に足が止まってしまった。

何を鬼に気を使う事があるのかと思いながら

「今日はいい天気でよかったですね」

と話し掛ける私がいた。

青鬼は貪りついていたカボチャから手を離し、

黄色い歯で笑った。

私の緊張が彼にも伝わっていたらしく、

その不自然な会話をきっかけに

バスも鬼も私もどうでもよくなり、

私達は笑いが止まらずにかぼちゃを貪った。

posted by ちむ at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 抽象。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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