2006年03月28日

とんま。

雲の巣に帰る。

思う存分球体を一周した後、

するっと帰ってきては

見飽きたはずの空を見るのが私の習慣である。

誰かみたいに見上げるのでも誰かみたいに見下げるのでもなく

ただ空を見ている。

「あんなことして彼らは満足なのだろうか。」

下のほうから聞こえてきた事がある。

こじんまりとした畑を耕す、

長年蓄積されて出来た赤土色の肌の爺さんだった。

何周前に聞いた声だったか。

きっととても昔の出来事だろう。

当たり前のように雲の巣に帰ってきて、今頃思い出した爺さんの声が、

私をフワフワさせた。

「爺さんこそ、満足なのか。」

言い返したかった。

だけどいつまたあの爺さんに会えるか分からない。

「赤土色の爺さんを見かけたら私に知らせてくれないか。」

その晩私はフワフワしたまま友人にそう伝えた。

私たちが自由なんてものではないことを、

どうして彼には見透かされたのだろうか。

私たちは大抵憧れの存在ではなかったか。

私たちは自由の象徴的存在ではなかったか。

そう思われていることが、自由でない私たちの誇りだったのに。

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posted by ちむ at 02:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 妄想。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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