二人してこちらを見ている。
この二人1982年あたりからずっと私の傍ににいたのだが、
今初めて会ったように目が合ったのだ。
テレビからフと目を外した、瞬きの長さほどの瞬間であった。
はて、何か私に用事でもあるのだろうか。
私はいささか電化製品とは相性が悪い。
家庭科の授業ではミシンを壊し針を何本も折り曲げ。
他人の下では素直だったはずのビデオデッキがヘソを曲げる。
挙句の果てに簡単操作の洗濯機までもが根を上げるのだから
苦手意識を持たない方が不健康ってもんだ。
結構下手に出ているつもりなのだが、一向に言う事を聞いてくれない。
私の不安な思いが見透かされているのだろうか。
下手糞なゴマスリ神経が気に食わないのだろうか。
上司よりも頭が上がらないのである。
そんな私に呆れかえっていたはずのスピーカーがまた、こちらを見ている。
自分の目すら疑わしくなったほどだったが、やはり勘違いではなかったようだ。
譲歩?それとも圧力?最終警告?
相変わらずこわごわ握手を求めてみるのだった。
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