ただ紙が見つからないだけの理由で
言葉が見つからないよりはいいやと思いながら、グリグリと書いた。
プチプチ鳥肌のたった太ももに黒い文字が弾力に逆らいながら埋まっていく。
毛布にくるまってもあたたかくはならなかった。
むろん文字を書いてあたたかくなるわけでもない。
何時になったんだろう。
無駄に重い男用の腕時計が壊れて
時間がわからない。
空の風景を見ながら時間の経過を思った。
動いてないフリをして、丸く過ぎていく雲が、
憎らしくなった。
私の思考はちっとも進まなかった。
文字が好きなわけではないのかもしれない。そう思った。
だったら私にとっての文字とは何をする為の手段なんだ。
矛盾を抱えて太ももを抱えている。
文字を抱えている。とんだ魔法を預かってしまった。
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